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今回は、「十字軍を描いた重厚かつ大スペクタクルな作品」を紹介、それではさっそく行ってみましょう!
十字軍を描いた重厚かつ大スペクタクルな作品
十字軍とは、中世に西欧カトリック諸国がエルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に派遣した遠征軍のこと。世界的に有名で、数多くの映画にも登場しています。
その中でも、十字軍を中心に据え、大きな予算を持って作られた大スペクタクルかつ、重厚な人間ドラマを持つ作品を集めました。
ただし、元十字軍とされているロビン・フッドを取り扱う作品を含めると莫大な作品数になってしまうので、今回は抜いています。
1|キングダム・オブ・ヘブン
公開年:2005年
製作国:アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、スペイン
上映時間:145分
監督:リドリー・スコット
出演:オーランド・ブルーム、リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、エヴァ・グリーン、エドワード・ノートン、ほか
あらすじ
12世紀。妻子を亡くして生きる目的を失ったフランスの鍛冶職人バリアンだが、彼の親と名乗り出たイベリンの領主、騎士ゴッドフリーに誘われ、ともにエルサレムへ出発。道中、ある事件で命を落としたゴッドフリーは騎士の称号をバリアンに譲り、エルサレムに平和と愛に満ちた国家を築くよう託した。
『グラディエーター』で大成功したリドリー・スコット監督が、今度は十字軍を取り上げた本作は、一説によると製作費に1億3000万ドルも投じたという超大作。
『トロイ』のオーランド・ブルームはじめ、『92時間』のリーアム・ニーソンなど俳優陣もぬかりなく豪華です。
145分、ディレクターズカット版は194分の中で、力のこもった壮大な戦闘シーン、人間ドラマやロマンスがとても充実。手の込んだ服装やセットなどもあり非常に重厚な雰囲気を作り出しています。
シリアスな宗教戦争的側面を持つ映画で、2001年の9・11後の作品。しかし、これまでの多くの映画が十字軍を正義、イスラム側を悪として描いてきましたが、本作では比較的中立的に描かれており、なじみの少ない日本人でも考えさせられる内容となっています。
『キングダム・オブ・ヘブン』はアマゾンプライムビデオで配信されています
2|アーン 鋼の騎士団
公開年:2007年
製作国:スウェーデン・イギリス・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・ドイツ・モロッコ
上映時間:139分
監督:ペーテル・フリント
出演:ヨアキム・ナッテルクビスト、ソフィア・へリン、ステラン・スカルスガルト、サイモン・キャロウ、ほか
あらすじ
12世紀、スウェーデンがまだ統一国家でなかった時代、有力部族の息子アーンは勉学のために修道院に預けられる。そこには元テンプル騎士がおり、彼は弓矢、剣術、馬術を教わるが、あるトラブルで、アーンは強制的にテンプル騎士団の所属とされ、エルサレム王国の防衛に当たることに。
テンプル騎士団が題材の今作。聖地エルサレムへの巡礼者護衛が主な任務だった彼らですが、十字軍と行動を共にすることが多く、今回は一緒にさせてもらいました。
スウェーデンで大ヒットし続編も公開済み、テンプル騎士団に所属する主人公アーンの恋や戦い、また、エルサレムでのサラディーンとの出会いを描きます。
『キングダム・オブ・ヘブン』と同様に、十字軍が聖地奪回のための正義の戦いとして物語られることはなく、むしろ、その残虐さや騎士団総長の無能さが描かれていたり、敵の高潔さに惹かれたりなど、かつての十字軍とは一味違います。
3|獅子王リチャード
公開年:1954年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:114分
監督:デヴィッド・バトラー
出演:レックス・ハリソン、ヴァージニア・メイヨ、ジョージ・サンダース、ほか
あらすじ
1192年、英国王リチャード一世の率いる第三次十字軍は仏、墺などの軍と合流し、エルサレムで回教徒の大軍と対峙していた。十字軍内の諸公はいずれも自己の権力拡張に汲汲としていたが、なかでもジャイルズ卿はリチャード王を亡き者にしようとしていた。
その勇敢さから獅子心王(Richard the Lionheart)と称され、統治期間中のほとんどを戦争と冒険に明け暮れていたというリチャード1世。自分を撃った人を許したり、敵からも尊敬されたりと数々の逸話を持つ歴史的人物です。
そんな彼を取り上げた1825年の小説「護符」を原作として映画で、十字軍の遠征を描くスペクタクル史劇です。しかし、遠征部分よりも、十字軍内部での争いやロマンスに重点を置いた作品。
とはいっても、渋くてかっこいい俳優たちの演技で見ごたえがあり、砂漠での迫力ある対決を含め、見せ場である木場での対決シーンは見どころです。
4|十字軍
公開年:1935年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:125分
監督:セシル・B・デミル
出演:ロレッタ・ヤング、ヘンリー・ウィルコクソン、イアン・キース、C・オーブリー・スミス、ほか
あらすじ
12世紀末、サラセン人にエルサレムを奪取されそこでのキリスト教徒の迫害を見た老僧侶は、欧州各国を回り十字軍運動を起こす。僧侶はフランス王フィリップと英国の獅子王リチャードの賛成を取り付けたが、フィリップとリチャードの弟ジョンは陰謀を企てていた。
「クレオパトラ」に次ぐセシル・B・デミル作品で、第三次十字軍の史跡に基づいて歴史家ハロルド・ラムが構想した物語を「クレオパトラ」のウォルデマー・ヤングと「男の敵」のダドリー・ニコルズが共同脚色し映画化。
ロマンスあり、謀略あり、アクションありと大作娯楽映画に仕上がっており、1935年の白黒映像ながら第8回アカデミー賞撮影賞にノミネートされた本作は、大規模で迫力のある映画らしい映画を楽しむことができます。
5|Saladin the Victorious
公開年:1963年
製作国:エジプト
上映時間:186分
監督:ユセフ・チャヒネ
出演:アフメド・マザール、サラー・ズルフィカール、ナディア・ルトフィ、ほか
あらすじ
サラディンがエルサレム王との戦いに勝利し、両国で平和条約が締結される。しかし、メッカへ向かう巡礼者が十字軍によって殺されたという知らせを聞いたサラディンは復讐を誓う。
あまり目にすることのないであろう63年制作のエジプト映画。製作費も膨大で、アラビア映画の中でもとくに有名で重要な映画とされています。
本作が公開されたのは、エジプトが植民地から解放されイスラエルとの戦争も一息ついた時期。映画の中のサラディンは、当時エジプト大統領であったナセルと類似させており、映画内でもキリスト教のアラブ人がサラディンと協力するなど、アラブ人の団結へのメッセージが含まれています。
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