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今回は、「宇宙に漂う宇宙船が舞台の映画」を紹介、それではさっそく行ってみましょう!
宇宙に漂う宇宙船が舞台の映画
周りは何もなく無限に広がる宇宙空間。そこにぽつんと漂う宇宙船の姿は美しいとともに怖さすら感じてしまいます。
そんな宇宙船の中で、人間はどう過ごしていくのか、どうトラブルに対処していくのか、そしてどんな不思議が待っているのか。それが見れる映画を集めました。
1|パッセンジャー
公開年:2016年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:116分
監督:モンテン・ティルドム
出演:クリス・プラット、ジェニファー・ローレンス、マイケル・シーン、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシア、ほか
あらすじ
乗客5000人を乗せ地球を旅立った豪華宇宙客船アヴァロン。到着まで120年かかる移住先の惑星を目指し、乗客たちは冬眠ポッドで眠りについていた。そんなある日、機械のトラブルで、エンジニアであるジムのポッドが90年も早く開いてしまった。
宇宙船で自分の冬眠ポッドだけ開いてしまう。恐怖でもあるが、世界に自分たった一人のワクワクを味わえる映画でもあります。
客船的性質を持った宇宙船なだけに、娯楽施設があり一人だけで楽しみまくるシーンは夢がありますが、やはり人恋しくなるもの。
そこから始まる人間ドラマは面白く、限りなく少ない登場人物の中で、ハラハラしたりドキドキしたり。登場人物の選択には賛否両論あると思いますが、「自分だったらどうするか」を考えるのはこの映画を見終わった後の一つの楽しみでもあります。
また、超巨大な宇宙船の見た目や豪華なセットはよく作りこまれており、無重力シーンやシステム面なども非常にこだわっているのがわかります。
最後には美しい余韻の残る、素晴らしいSF映画です。
『パッセンジャー』はU-NEXTで配信されています
2|アニアーラ
公開年:2018年
製作国:スウェーデン・デンマーク
上映時間:106分
監督:ぺラ・コーゲルマン、ヒューゴ・リリャ
出演:エメリー・ヨンソン、アルビン・カナニアン、ビアンカ・クルゼイロ、イェニー・シルフベルヘルム、ほか
あらすじ
汚染された地球から火星に移住するために巨大宇宙船アニアーラは乗客8000人を乗せて旅立った。しかし、途中でトラブルに遭いエネルギー系統に損傷を負い火星への軌道を外れてしまう。そして、修復不能なまま宇宙を漂うことになる。
制御不能の宇宙船、まさに思考実験ともいえるような北欧産のSF映画。僕が大きな衝撃を受けた映画でもあります。
宇宙船内には火星までの旅路を飽きさせないような、クラブ、バー、レストランなどがありますが、この映画の見どころは、藻類農場やミーマホームといった独創的な設定でしょう。
ミーマは船のAIで、ミーマホームはかつての美しい地球を人々の夢に投影させられるもの。漂流後船内の人々はミーマホームをよりどころとし、それを教祖とするカルト教団まで出現します。
船の制御を失ってから1年、3年、5年と年月が経つにつれ変化していく船や人々の様子は非常に興味深く、船や星空が作り込まれているのもありとてもリアリティがあります。SF映画の枠にとどまらない名作だと思います。
『アニアーラ』はU-NEXTとアマゾンプライムで配信されています
3|密航者
公開年:2021年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:116分
監督:ジョー・ペナ
出演:アナ・ケンドリック、トニ・コレット、ダニエル・デイ・キム、シャミア・アンダーソン、ほか
あらすじ
あるミッションのため、火星へ向かった宇宙飛行士3人。しかし、乗り込んだ船の中には不慮の事故で取り残されたままだったエンジニアがいたのだ。酸素供給装置の故障もあり、乗組員たちは難しい判断を強いられることに。
4人の実力者俳優によるSFサスペンス。本来3人であったはずの乗組員が4人に、さらにトラブルで酸素が足りなくなることが判明。彼らのとる行動、選択が肝となる映画です。
本作が発表されたのはパンデミック下。世界では治療に優先順位がつけられ、助からない命もたくさんありました。
映画中でも、トロッコ問題のようなストーリーが展開され、命の選択が迫られます。それ故彼らの行動には意見が分かれるかもしれませんが、それも含め楽しめる作品かと思います。
2021年製作の映画なので、宇宙や船内の描写は繊細できめ細かくとても美しい映像を見られます。また。製作にあたり宇宙飛行士から話を聞いたり、実際に宇宙船に積まれていたものを博物館から借りたりと、入念に作りこまれているのは注目の点です。
『密航者』はNETFLIXで配信されています
4|パンドラム
公開年:2009年
製作国:アメリカ合衆国、ドイツ
上映時間:108分
監督:クリスチャン・アルバート
出演:デニス・クエイド、ベン・フォスター、アンチュ・トラウェ、カン・リー、ほか
あらすじ
2174年。人々は滅亡寸前の地球から惑星タニスへ移住計画を始める。やがて宇宙船エリジウムがちび立ち、その中で冬眠状態だった二人の飛行士が目を覚ます。しかし二人はなぜそこにいるのか記憶が全くなく、その答えを探し始める。
『バイオハザード』シリーズでメガホンをとったポール・W・S・アンダーソンが本作では製作を務めるSFスリラー映画。スリラーと言っても、かなり衝撃的なシーンもありホラー寄りの作品となっています。
パンドラムという宇宙船独特の環境下で発症する病気と、船内で起きている異常な事態の関係。暗く汚い系の宇宙船で展開される謎解きの物語は、B級映画ながら非常に骨太な印象を受けます。
個人的に『パンズラビリンス』を想起させるモンスターのデザインは、グロテスクなものが苦手な方は注意ですが、どこか童話的でもあり美すら感じてしまうかも。不思議なSF映画、衝撃のラストは一見の価値ありです。
『パンドラム』はU-NEXTで配信されています
5|ソラリス
公開年:2002年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:99分
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン、ジェレミー・デイビス、ヴィオラ・デイヴィス、ウルリッヒ・トゥクル、ほか
あらすじ
惑星ソラリスの探査中である友人からの救助要請を受け、心理学者のクリスはその宇宙ステーション「プロメテウス」へと向かった。しかし到着してみると友人は亡くなっており、クリスの身には不可解な現象が続発する。
名作SF『ソラリス(1972)』のスティーブン・ソダーバーグによるリメイク作。製作は『タイタニック』のジェームズ・キャメロンが携わっています。
生命体の海で覆われてると考えられている惑星ソラリス、そこで起きる不思議な事象に惑わされる乗り組み員。亡くした妻への罪悪感を持つクリスに突如現れる妻。
1972年のアンドレイ・タルコフスキー版『ソラリス』が2時間半越えなのに対し、99分のソダーバーグ版では一体それが何なのかは詳しく描かれないが、それは意図的なもので「エモーショナルな映画にしたかったから」とのこと。それ故どこか寂しく、感傷的になるSF映画となっています。
『ソラリス』はアマゾンプライムビデオで配信されています
6|2001年宇宙の旅
公開年:1968年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:140分
監督:スタンリー・キューブリック
出演:キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター、ダグラス・レイン、ほか
あらすじ
はるか昔サルが触れた謎の物質モノリスは、サルから人類へと進化を促した。そして2001年、人類は宇宙へと生活圏を広げ、人工知能HAL9000をのせた宇宙船ディスカバリー号は月で発見されたモノリスを調査しに旅立った。
いわずと知れた超伝説的SF映画。HAL9000は僕の「春九千」の由来でもあります。僕はこの映画を見るのが楽しみで、小説を先に読みストーリーがわかっていましたが、それでも楽しめる作品です。
金字塔ともいわれ、以後の映画に大きな影響を与えた本作の魅力は説明不要。製作には多くの科学者が参加し、1968年の映画ながら宇宙での描写は驚くほどリアルで、登場する宇宙食などは実際にNASAから提供されたものだそう。
そしてなんといっても、難解と言われるそのストーリー。一般人が完全に理解できるかわからない、そもそも正解があるかもわからない表現。この映画のすべてが、何度も味わうに値する最高の映画です。
『2001年宇宙の旅』はU-NEXTとアマゾンプライムで配信されています
7|ダークスター
公開年:1974年
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:83分
監督:ジョン・カーペンター
出演:ダン・オノバン、ブライアン・ナレル、ドレ・パレッチ、ほか
あらすじ
はるか遠い宇宙を行く探査船ダークスター。しかし、そこに積まれている惑星爆破用爆弾がトラブルで起動してしまう。乗組員たちは爆弾に搭載されている思考システムを説得しようとするのだが…
『ゼイリブ』や『遊星からの物体X』で有名な鬼才ジョン・カーペンターの長編デビュー作。また脚本は、『エイリアン』でお馴染みのダン・オノバンで、学生時代に作り上げたものをリメイクした貴重な一作です。
先に紹介した『2001年宇宙の旅』の後の作品ということで、それを想起させるような人工知能やそれとの対話シーンなどがありますが、決してパクリではなくこの映画独特の魅力は多くあります。
奇妙なでチープなビーチボール型の生命体は意地悪でどこか愛らしく、人工知能はなんだかめんどくさい奴で、爆弾はおっちょこちょい。
コメディかと言われれば一概にそうとも言えず、なぜか不安になったり楽しくなったり怖くなったりと、監督脚本の才能が見えるかも?
ツッコまずにはいられない奇抜すぎるラストなど、カルト的人気のある作品でもあります。
8|ヴォイジャー
公開年:2021年
製作国:アメリカ合衆国、イギリス、チェコ、ルーマニア
上映時間:108分
監督:ニール・バーガー
出演:タイ・シェリダン、リリー=ローズ・デップ、フィン・ホワイトヘッド、コリン・ファレル、ほか
あらすじ
地球滅亡の危機を前に人類は、人工授精で生まれた30人の優秀な子供たちを移住可能な惑星へ送り込んだ。それは約80年、3世代も要する壮大な旅。しかし出発から10年がたったある日、成長した子供たちはある事実に気付く。
コリン・ファレル、タイ・シェリダン、そしてジョニー・デップの娘であるL・R・デップなど、実力ある俳優と多くの若手で非常にエネルギーのあるSF映画です。
「平和のため人類を5つの特徴に分けた共同体に振り分ける」といった『ダイバージェント』や『リミットレス』を手掛けたSF監督ニール・バーガーが今回舞台に選んだのは宇宙。真っ白で無駄のない宇宙船の持つ不気味さは、好きな人は好きなはず。
そして毎日青い液体を飲まされる子供たち。好奇心の高まる思春期に、その物質が一体何なのか気になるのは当たり前。そんな人間の持つ本能から始まる物語。人の本質に迫るというのはSFならではの描けるものでもあります。
『ヴォイジャー』はU-NEXTで配信されています
9|ハイ・ライフ
公開年:2018年
製作国:ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド、アメリカ合衆国
上映時間:113分
監督:クレール・ドゥニ
出演:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、ミア・ゴス、アンドレ・ベンジャミン、ほか
あらすじ
あるミッションのため太陽系を離れ、遠い宇宙を突き進む宇宙船「7」。ただし9人のクルーはみんな死刑囚であり、彼らは刑の免除と引き換えに科学者ディブスの実験に参加しながら任務に挑んでいた。
『パリ、18区、夜。』など数々の映画を手掛けるフランスの巨匠クレール・ドゥニによるSFサスペンス。説明は比較的少なく、美しい映像と相まってアート的な雰囲気を見せる映画となっています。
しかしながら、映画内ではたくさんのテーマが含まれており、多くのメタファーが見られます。囚人ばかりの宇宙船、そんな今までになかったような設定だからこそ描けるストーリーは見る人を選びますが、新鮮なのは間違いないでしょう。
また、ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュ、ミア・ゴス、と実力派俳優たちがこなす見事な演技も注目の点です。
『ハイ・ライフ』はU-NEXTとアマゾンプライムで配信されています
10|A.I. ライジング
公開年:2018年
製作国:セルビア
上映時間:86分
監督:ラザール・ボドゾーヤ
出演:ストーヤ、セバスチャン・カバーツァ、ほか
あらすじ
西暦2148年。約4光年彼方のケンタウルス座アルファ星への探査ミッションのため、宇宙飛行士ミルティンは地球を旅立った。たった一人の航行に同行するのは女性型アンドロイド「ニマーニ」。任務のサポートから性的欲求の解消まで何でもこなすが、そんな完璧なニマーニにミルティンはプログラム以上のことを求め始め…
あまり目にすることのないセルビア製のSF映画。レビューでは賛否が大きく分かれているようですが、ベオグラード映画祭ほか、多くの映画祭で高い評価を受けている作品でもあります。
中年の男性一人で4光年の旅をこなす、というちょっと突っ込みたく明日設定などもありますが、これはSFの皮をかぶったドラマ。アンドロイド相手に一人の男の動きがよくわかるようになっています。
宇宙船に一人、超美人なアンドロイドがいれば考えることは一つ。前半はまるで芸術的なSFAVのような様を呈していますが、後半では性的描写も減り不穏な雰囲気に。
エディプスコンプレックスメタファーとも取れる表現など、一人でしっとり見る上質で美しいSF映画です。
『A.I.ライジング』はU-NEXTとアマゾンプライムで配信されています
11|イカエリ XB1
公開年:1963年
製作国:チェコスロバキア
上映時間:88分
監督:インドゥジヒ・ポラーク
出演:ズデニェク・シュチェパーネク、フランチシェク・スモリーク、ダナ・メドジツカー、イレナ・カチールコヴァー、ラドヴァン・ルカフスキー、ほか
あらすじ
アルファ・ケンタウリ系の生命探査のため航行をするイカリエ-XB1。途中朽ち果てた宇宙船を発見し調査をするが、そこは死体だらけで、さらに積み込まれていた核爆弾で調査員は死んでしまう。
66年の『スタートレック』、68年の『2001年宇宙の旅』より前、そして共産主義下のチェコスロバキアで製作された本作。この情報だけで見たくなるような奇跡の映画です。
白黒かつCGなしのこの時代らしい映像ですが、素晴らしいセットでその先進さには目を見張るものがあります。2016年には4Kデジタルリマスターされ、より鮮明に当時の様子がわかるようになりました。
まるでブリキのような宇宙船や、おもちゃのようなロボットなど逆に新鮮に思えるような造形ばかり。歴史的にも貴重な一作は見ておきたいところです。
12|CARGO
公開年:2009年
製作国:スイス
上映時間:107分
監督:イバン・エングラー、ラルフ・エッター
出演:アンナ=カタリーナ・シュワブロ、マルティン・ラポルト、マイケル・フィンガー、クロード=オリビエ・ルドルフ、ほか
あらすじ
2267年。居住不能になった地球から人々は軌道上の宇宙ステーションに暮らしていた。そこで暮らす医師のローラは、過密なステーションを抜け出し惑星レアに移住する資金の調達のため、貨物船に乗船し往復8年間の旅路につく。
レアなスイス産SF。ですがセットは非常に作りこまれておりハリウッドを見ててみ十分満足できる出来です。
SF好きなら興奮するような設定も多く、また所々に漢字などアジアンテイストがあり、『ブレードランナー』などのサイバーパンクなども想起させます。
比較的地味で、淡々とする進む様子はいかにもヨーロッパらしい作り。雰囲気も楽しめるしっとりとハラハラのメリハリあるSFとなっています。
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